温泉ソムリエである店主むらさきが、ちょっとソムリエっぽい視点で温泉の素晴らしさをお伝えします。
先日少し遅い正月お休みをいただき大分県別府温泉方面にお邪魔してきました。
その際に訪れたすばらしい温泉をご紹介させて頂きます。
「長湯温泉 ラムネ温泉館」さんです。
長湯温泉 ラムネ温泉館さん(大分県)
別府温泉から少し離れて車で1時間ほど、長湯温泉にある大丸旅館さんの外湯施設。
長湯温泉は「日本一の炭酸泉」と宣言されているほど、炭酸の源泉が豊富です。
「ラムネ温泉館」さんもその中の1つの施設なのですが、とても有名ですのでテレビや雑誌でご覧になった事があるのではないでしょうか。
まさにラムネ気分(二酸化炭素泉)
皆さんご存知「炭酸泉」の天然物です。
炭酸の飲み物でもお分かりのように「炭酸成分」は非常に抜けやすいため、泉質に「含二酸化炭素」を含むためには、かなりの濃度の二酸化炭素を含んでいる必要があります。
その濃度は家庭の炭酸ガス系入浴剤の約10~25個分と言われ、そのまま吸い込むと二酸化炭素中毒になるほどの濃さになります。
炭酸泉の効能としては、炭酸ガスが皮膚から吸収され、毛細血管や最小動脈を拡張して血液の循環を良くします。
- 心臓の湯:心臓に負担をかけずに血行を促進
(飲んで)胃腸を刺激して、利尿効果、鎮静作用、食欲増進に効果あり
炎症を抑える温泉(重炭酸土類泉)
マグネシウム・カルシウムの鎮静効果によりけいれんや炎症を抑える作用があり、アレルギーやじんましんにも効果がありあます。
店主むらさきのおススメポイント
人工的な炭酸泉が一般的になってきたので、「天然の単線泉だからってそれほど変わりは…」なんて思っていましたが…
演出の素晴らしさ
素敵な外観と可愛らしい看板で期待せずにはいられないですが、浴室の作りもとても雰囲気が良いです。
浴室は土壁で作られ、まるで洞窟の中で鍾乳洞の溜まり池に浸かっている気分になります。
炭酸の魅力を引き出す露天風呂の演出
露天風呂はラムネ温泉館の目玉温泉である「ラムネ温泉」で身体中に気泡がつく浴槽です。
この露天風呂は浴槽の中にだけ照明が設置されていて、この照明が身体についた気泡を照らしその様子はまるで「身体が宝石に包まれる」ようです。
私はたまたま夜にお邪魔したのですが、是非夜に入っていただきたいお風呂だと思います。
湯使いの素晴らしさ
温泉知識はまだまだ未熟な私ですが、ここの湯使いはとても素晴らしいと思います。
※「湯使い」は前回のブログで書きましたので、併せてご覧ください
炭酸を生かすために①
炭酸は非常に抜けやすい性質ですが、ラムネ温泉の露天風呂はうまく工夫がされています。
一つ目は「温度」。
高温になると気が抜けてしまうため、源泉をそのまま(30℃ほど)掛け流しています。
私は冬の寒い時期の夜(しかも雨!)に訪れたので、当然覚悟が必要なくらい寒かったのですが、浸かっていると炭酸の効果で徐々に寒さを感じなくなってきました。
炭酸効果ってすごいですね!
炭酸を生かすために②
二つ目は「湯口」。
炭酸の飲み物を高い位置から注ぐと気が抜けやすいのと同様に、浴槽への注ぎ方も重要です。
ラムネ温泉の露天風呂は浴槽内の下部から優しく注がれているので、炭酸が残り易い仕組みになっています。
入ってみると、身体に付く気泡が人工の炭酸泉に比べてとても細かく感じました。
これも炭酸の残すように工夫された湯使いの良さから来るのかもしれません。
内湯の温泉も丁寧に扱われています
内湯に使われる源泉の温度(41.2℃)と浴槽に注いでいる湯温(41.2℃)が、加温をせずにほぼ同じとのこと。
これは、源泉と浴槽の位置が近くかつ丁寧に運んでいる(空気に触れさせず、しっかり保温をしている)ことを示しています。
つまり源泉の良さがそのまま浴槽で味わえる「すごく湯使いの良いお風呂」と言えます。
内湯もなかなかですぞ!
露天風呂のインパクトがすごいのですが、内湯も間違いなく素晴らしい温泉です。
内湯に使われる源泉は、「含二酸化炭素泉」の基準には少し足りない程度の炭酸を含む(1,000が基準のところ900)温泉です。泉質名には表れませんが十分炭酸泉です。
また泉温が奇跡的な適温(41.2℃)であり、湯使いの良さも相まって、内湯だけでもかなり贅沢な素晴らしい掛け流し温泉です。
最後に
大分&熊本にはたくさんの魅力的な温泉がありました。
あと何か所かお勧めしたい温泉がありますので、後日ブログでレポートさせて頂きます。
拙い文章のレポートですが少しでも皆さんに興味を持っていただければ嬉しいです。
※ 参考文献:温泉ソムリエテキスト(平成27年版)