温泉ソムリエである店主むらさきが、ちょっとソムリエっぽい視点で温泉の素晴らしさをお伝えします。
大分・熊本温泉レポートの第三弾。
今回は「はげの湯温泉 くぬぎ湯」さんです。
はげの湯温泉 くぬぎ湯さん(熊本県)
前回レポートした黒川温泉から30分、別府温泉や湯布院からは車で1時間ほど。
訪れた「くぬぎ湯」さんは、家族風呂のみというちょっと珍しい温泉施設です。
九州全般に家族風呂の施設は多く、価格も手ごろで利用しやすい所が多いようです。
金城温泉と同じで「貸切風呂」ではなく「家族風呂」と呼ぶのですね。
くぬぎ湯さんは「コインタイマー式」とホームページに書いてあることは気づいていたのですが…
やさしい温泉(単純温泉)
単純温泉と聞くとありがたみが少ないイメージですが、成分の量が一定の基準に達していないだけで、実際には家庭の入浴剤を入れたお風呂がそれ以上の成分を含みます。
温泉成分が濃いと効果・効能は高いのですが、その分「湯あたり」の原因になります。
単純温泉は体にやさしい成分の薄い温泉なので、刺激も少なく高齢者や子供も安心です。
- 家族の湯:子供からお年寄りまで安心して入れる優しい泉質
店主むらさきのおススメポイント
驚きのコインタイマー式
本当にびっくりしました。
脱衣室に設けられたコイン投入機(?)に指定のお金を入れると、浴槽にドバドバ温泉が注ぎ込まれます。
自分たちが一番風呂の温泉が味わえるという事。
まさに究極の源泉掛け流し温泉ではないでしょうか。めちゃめちゃ贅沢です。
温泉は鮮度が非常に重要です。
浴槽内の古い温泉を新しい温泉で入れ替える一般的な掛け流しに比べ、何もない浴槽に新鮮なお湯を入れるのですから鮮度の良さは抜群です。
調べてみると、このコインタイマー方式は大分・熊本方面の家族風呂や個室風呂付き旅館では一般的なのだとか。最初に考えた人すごい!そしてうらやましい!!
贅沢な景色
部屋は外側の扉を開けると半露天になります。
のどかな高原状の山地にある施設ですので、目の前の開放的な景色を眺めながら入浴することができます。
温泉と景色でテンションが上がり「すげ~ここすげ~」を叫んでいました。隣にお客さん入っていなかったよね…(汗)
ドライブやツーリングでの利用に最適
この施設は24時間営業で、いつでも利用することができます。
また温泉の蒸気を利用した蒸し釜もあり(入浴者は無料)、入浴前に野菜や卵を入れて置いて上がった後に食べることもできます。
さらに駐車場では車中泊も可能ですので、車の旅にはぜひ立ち寄って頂きたいことろです。
無視できない名前
原因は不明なのですが、なんとなく親近感(?)がわく名前。なんなのだろう?不思議です。
そんな素晴らしい方式なんだったら、金城温泉もコインタイマー式にすれば?
真似したいのですが、問題点もあります。
湯量の問題
5分程度で浴槽を満タンにするには、おおよそ「毎分50~80リットル」の湯量が必要です。
その湯量が部屋数(14部屋)の半分程度は必要なので、おおよそ「毎分300~500リットル」
金城温泉は2本の源泉を合わせて「毎分400リットル」ですが、そのうち1本を公衆浴場で「源泉100%掛け流し」を行っているため、残り1本の源泉では湯量が足りない計算になります。
湯温の問題
金城温泉の源泉は温度が低めです(38~40度。浴槽ではもう少し下がって36~38度)。
公衆浴場では加温した浴槽も提供しているので、源泉掛け流しとのぬる湯と合わせて提供できているのですが、浴槽が1つの家族風呂ではぬるめの浴槽だけでは風邪をひいてしまいます…
でも無理ではない!
湯量の問題はコインタイマー源泉掛け流しの部屋を限定すればできそうです!
湯温については、コストがかかるので入浴料は高くなってしまいますが加温すれば解決です!
その部屋は「限定特別室」になってしまいますが、そんな家族風呂があっても良いかも。
夢は広がります!!
将来の金城温泉 家族風呂に乞うご期待!
※ 参考文献:温泉ソムリエテキスト(平成27年版)