今回のブログはお風呂屋さんの裏側のお話しです。
同じ浴場業の方に見て頂きたい内容ですが、裏側をのぞいてみたい方もお気軽に!
配管洗浄は大切ですね
浴場施設において、浴槽のように直接洗浄できない配管の洗浄は苦労します。
最近はブロワなどの機械を使って物理的に洗浄する方法もあるようですが、ほとんどはなんらかの薬剤を使われていると思います。
今回は薬剤を使った配管洗浄で、金城温泉で実施している方法のご紹介です。
薬剤を使うためには
通常、浴槽に水(お湯)を溜めた後、薬剤を投入してしばらく循環させます。
排湯口が低い位置にあり、低い水位で循環できる場合であれば特に問題ありません。
しかし当施設のような比較的古い施設では、排湯口が水面ないし水面近くにあると思います。
このような場合、循環させるために浴槽いっぱいに水を溜める必要がでてきてしまいます。
そのため、恐らく閉店後の残り湯を利用して、洗浄されているのではないでしょうか。
金城温泉では浴槽に水を溜めません
湯口と排湯口をホースでバイパスしてしまいます。
薬剤の量を少なくできる
浴槽に水を張らない分、薬剤の量が少なく済みます。
レジオネラ対策のお薬は結構高いですから助かります。
すすぎが楽
すすぎもホースを繋げたままで行いますので楽です。
当然すすぎに使う水の量も少なくて済みます。
残り湯を使わない
水の量が少なくて済むので、わざわざ残り湯を使う必要がありません。
残り湯には汚れだけでなく塩素系の消毒剤が残っています。
また温泉の場合など、肝心の薬剤になんらかの影響を及ぼすかもしれません。
きれいな水で洗浄すれば、そのあたりの心配は無用です。
省エネ
金城温泉では、薬剤を溶かしやすくするために井戸水を少し昇温させていますが、水が少ないのであっという間です。
つまり使用する燃料も少なくて済むことになります。
注意点
この手段が使えそうな施設さまは是非お試しください。おすすめです。
ただし、いくつか注意が必要です。
- 発砲系の洗浄剤は恐らく使えません
浴槽に水を張らない分、開放箇所が少なく泡の逃げ場所がありません。
おそらく循環用のラインポンプが空気をかんでしまって動かなくなったり、ちょっとした開放部分が泡であふれる事になりそうです。 - 湯口にホースをつなげる手段が必要です
塩ビパイプの継手が末端になっていれば楽なのですが、管でかつ埋め込んである場合は少し面倒です。
その場合は、継手をうまく削って径を合わせる必要があります。