温泉ソムリエである店主むらさきが、温泉の素晴らしさをお伝えするコーナー第2弾です。
今回は慰安旅行で訪れた「有馬温泉」です。
有馬温泉 太閤の湯さん(兵庫県神戸市)
全国有数の濃い温泉である有馬温泉ですが、泉質の豊富さも特徴です。
インパクト大の赤い温泉(含鉄泉)
有馬温泉の「金泉」と呼ばれる源泉は、なんといってもまずその色に驚かされます。
温泉の色はその成分によって決まり、金泉の「茶褐色(赤色)」は鉄が錆びた色です。
全国にはこのような茶褐色の温泉がいくつかあるのですが、全てが「含鉄泉」ではなく、塩分が濃い温泉では、たとえ少しの鉄しか含まなくても錆びやすく「茶褐色」になります。
一方、有馬温泉の金泉は「含鉄泉」であり、基準以上の鉄分を含む珍しく貴重な温泉なのです。
- 婦人の湯:女性に見られがちな症状に効果的
(入浴で)良く温まり更年期障害、冷え症に効く
(飲んで)胃酸の分泌を高め、貧血への効果大
太閤の湯さんには見当たりませんでしたが、有馬温泉の日帰り施設「金の湯」さんの前には飲泉の設備があるようです。
非常に濃い塩分を含む温泉(塩化物強塩泉)
海と同じもしくは2倍程度の非常にしょっぱい温泉です。
- 温まりの湯:塩の成分が「パック」となり湯冷めしにくく保湿効果が高い
- 傷の湯:殺菌効果で傷に効く
体に良い放射線(放射能泉)
放射線というと怖いイメージですが、放射能泉は「体に良いことだけして、すぐ消えていく」良い泉質の温泉です。
「入ってよし、飲んで良し、吸って良し」の素晴らしい泉質ですが、成分が失われやすいので、扱いが上手な施設でなければ宝の持ち腐れになってしまいます。
詳細は分からないのですが、「太閤の湯」さんでは水風呂がもっとも効能が高いと思われます。
- 痛風の湯:痛風に効く唯一の泉質
- 万病の湯:効能の幅が広い
店主むらさきのおススメポイント
掛け流しの金泉を味わえる
有馬温泉の含鉄泉「金泉」は、湧出量(地下から出る温泉の量)がそれほど多くなく、贅沢に掛け流しにできる施設は少ないようです。
太閤の湯さんでは露天風呂に掛け流しの岩風呂があり、贅沢な金泉を満喫することができます。
またその岩の上の方から注がれる金泉のお湯は、音も情緒たっぷりで「日本に生まれて良かった」と思わせてくれるほど安らぎを与えてくれます。
放射能泉(銀泉)がある
有馬温泉の「銀泉」と呼ばれるものには、「二酸化炭素泉」と「放射能泉」の2種類があります。
太閤の湯さんには残念ながら天然の「二酸化炭素泉」は無く人工によるものなのですが、
一方の非常に貴重な「放射能泉」があります。
先に書いた通り「放射能泉」は非常に扱いが難しく、「加温しない」「循環しない」「鮮度が良い」事が条件となります。
詳細は不明ですが、太閤の湯さんで水風呂に使われている「銀泉」がもっとも条件の良く、貴重な泉質を味わうことができる素晴らしい施設だと言えます。
今回は時間の関係で、残念ながら有馬温泉の他のお風呂に入ることができませんでした。
有馬温泉の魅力はまだまだ奥が深そうです。
また来ようっと!
※ 参考文献:温泉ソムリエテキスト(平成27年版)